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オープニング・ナイトの10000lyfhのレビュー・感想・評価

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)
4.5
中年女性役を演じたくない舞台女優のストレスが、ファンの事故死で増幅、行方不明で初日公演が危機に。ローランズ演じる女優が、酒に溺れ周囲を振り回すプロ失格な醜態を晒すも、最後にはプロの意地で修羅場を乗り切るさまが圧巻。超絶美人に見える瞬間あり、疲れ切った中年女性に見える瞬間あり、ベティデイヴィスを彷彿。ギャザラら脇役陣の演技も素晴らしく、公演が危機に直面した時の緊迫感がリアル。CU の画圧と、フェイドイン/アウト(暗転)皆無の編集が生む途切れない前進感もあり、とてもパワフルな映画。メタ考察にも面白い映画で、監督兼出演のカサヴェテスは、映画内の舞台作品で演技する俳優役の演技しつつ、演出家役ギャザラに、カサヴェテス自身を演出させる演出をするという離れ技をこなしている。冒頭で自動車事故死した若い女性の、映画内での扱い方は残念(ローランズ以外、誰も気にしておらず、またローランズも、悪意ではないとはいえ、死亡した女性の「霊」を自身に敵対する存在として「創造」している)
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