007シリーズ 第5作(1967年)
ショーン・コネリー主演
007シリーズで初の日本ロケをした作品であると同時にイアン・フレミング原作のあらすじを完全に無視した初の作品となった。
東西冷戦真っ只中において、米ソのロケットが謎のロケットに捕獲される事件が発生した。両国は互いに相手国の仕業と考え、米ソは一触即発の事態に発展。しかし、MI6はロケットが日本周辺から打ち上げられている情報を掴んでいた。米ソの全面戦争を阻止すべくボンドを香港経由で日本に密入国させる。敵を欺く為に、香港でボンドの死を偽装してから日本に送り込んだが…。
丹波哲郎（タイガー田中）、若林映子（アキ）、浜美枝（キッシー鈴木）の3人が熱演していて、高度経済成長期にある東京ロケがネオンサイン含めてとても懐かしく感じられた。また、日本が世界に誇るスポーツカーで幻の名車と呼ばれるトヨ2000GTの勇姿が見れて随分と幸せな気分になれた。アストンマーチンに引けをとらないデザイン、直列6気筒150馬力エンジンの音は文句のつけようがない。公称生産台数は僅か337台。ショーン・コネリーの身長は188cmで彼を映す為に急遽ルーフを取っ払いオープンカー仕様に改造したという。今見てもその美しさに見惚れてしまう。
ボンドを救う公安エージェントのアキを演じる若林映子は英語が堪能なため、当時イタリア映画や西ドイツ映画にも出演した実績があるという。大きな目でエキゾチックな雰囲気をもち、日本女性というよりアジアンビューティーである。一方、ボンドと偽装結婚をするタイガーの部下であるマツ島の海女キッシー鈴木を演じる浜美枝は、白のビギニ姿が若々しく笑顔が可愛いくて眩しかった。当初、若林と浜の役柄は逆だったが、英語力で若林が公安エージェントになったそうだ。
本作では秘密兵器担当のQ（デスモンド・リュウェリン)ももちろん日本に呼び寄せていて、小型ヘリコプター「リトル・ネリー」がボンドに供給され活躍した。丹波哲郎演じるタイガー田中が、トヨタ2000GTに乗るボンドとの無線通信時に「ゼロゼロ」と声をかけるのだが違和感を感じた。しかし、英語圏ではダブルーオーセブンと呼ぶのが一般的だが、英語圏以外のドイツでは 「null null sieben」、フランスでは 「zéro zéro sept 」、日本では「ゼロ・ゼロ・セブン」などと読まれている。
最後にテーマ曲のナンシー・シナトラが歌う「You only live twice」のメロディーだが、この作品の雰囲気にマッチしていてとても好きだ。
You only live twice
https://youtu.be/ZvJpzI3TH_A
You only live twice,
あなたは二度しか生きられない（007は二度死ぬ）
or so it seems
それか、もう二度目の人生を生きているのかしら
One life for yourself, and one for your dreams
一度目はあたな自身のため、そしてもうひとつはあなたの夢のため
You drift through the years and life seems tame
あなたは何年もさまよい、人生を手なずけたようね
Till one dream appears and love is its name
ひとつの夢が現れるまで、そして愛がその夢の名前なの
And love is a stranger who'll beckon you on
愛はあなたを手招きする見知らぬ人
Don't think of the danger or the stranger is gone
それが危険だと思ったり、見知らぬ人がどこかへ行ってしまうことを願わないで
This dream is for you, so pay the price
その夢はあなたのためのものなの、だから代価を支払わなくちゃ
Make one dream come true, you only live twice
その一個の夢を叶えなくちゃ、あなたは二度しか生きられないから（007は二度死ぬ）
And love is a stranger who'll beckon you on
愛はあなたを手招きする見知らぬ人
Don't think of the danger or the stranger is gone
それが危険だと思ったり、見知らぬ人がどこかへ行ってしまうことを願わないで
This dream is for you, so pay the price
その夢はあなたのためのものなの、だから代価を支払わなくちゃ
Make one dream come true, you only live twice
その一個の夢を叶えなくちゃ、あなたは二度しか生きられないから（007は二度死ぬ）
