磔刑

赤い影の磔刑のレビュー・感想・評価

赤い影(1973年製作の映画)
1.9
「寝なくても見れる悪夢」

怪しい盲目のババア。胡散臭い司祭。娘を失った過去。示唆される霊的要素。
それらがラストで繋がると思ったら、全く関係の無い謎の小人ババアに殺されるって…。えっ?マジで何の話してるかわかんないんだけど?全然話が繋がってるように見えないんですけど…?
なんかスゲー出来の悪いダリオ・アルジェントって感じ。つーか、分類すら不明よ。意味ありげに挿入された長々しい濡れ場も情緒以外、特に意味ないって言うね。いや、マジで何の話をしてるのかわからんわ。

ミスリードやモンタージュに凝りすぎてストーリーラインが崩壊してるんよ。なもんで“赤い影”の正体も逆に予想出来たっていうね。伏線なんてあったもんじゃないから、あくまでもメタ的な視点でだけど。つまり、ストーリーを重要視してないが為に、鑑賞者の雑念を生み、邪推させる余地を作ってしまってるんだよなぁ。

それに、作品全体の不穏な雰囲気、混沌とした世界観が必要以上に観ている者を混乱させてしまってる。結局、多くのモンタージュは主人公の予知能力であり、自分の行く末を先んじて見てたわけだ。それは、作品内でもハッキリ名言されてるのだが、いかんせんそれを断言したのが作品内で最も怪しい人物である為、当然鵜呑みにする訳もなく、「ははぁーん!ミスリードだな!!」って思う訳よ。でも、実際はその通りで、それが作品の基礎になる訳なのだが、その信じるべき基礎を疑った状態で見るもんだから何がなんだかわかんなくなる最大の原因になってしまっている。
いや、でもそれって狙ってやってる説も確かにあるよ?不吉な予兆を信じる信じないは、娘の死を受け入れるかそうでないかとシンクロしてて、主人公が最も娘の死を受け入れてなかったが為に、運命に抗えず死んでしまったと。つまり、観客が感じる混沌は主人公の視点そのものである可能性が非常に高いのだ。でもね、私はこの演出嫌いよ😣ただそれだけ。

でも、カルト映画としてはいいんじゃない?『ウィッカーマン』を彷彿とさせるカルト映画特有のA級でも、B級でもない、独特(ダメダメ)な雰囲気が似てるわ。
てか、昔って小人や奇形児を恐怖の象徴として描く事多いけど、今だったら絶対できないわな。別に見たくもないけど。小人耐性は『フェノミナ』で付いたんで、今回は全く驚かんかったわ。

いやーそれにしても音響も音割れしてて最悪やったし、ちょっと疲れたわ。ハァ…😅
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