オススメ度☆☆☆☆
原作読んだことない勢だが全然楽しめました。
特に試合パートが最初から最後まで手に汗握る熱戦で、それだけで観る価値があります。
試合の合間に挿入されるドラマも高校バスケが題材の割に重すぎる印象はありますが試合を更に盛り上げてくれます。
ただキャラクター同士の関係やこれまでの経緯は原作の一部を端折っている印象が多少なりともあるので、原作を読んでいた方がより楽しめる内容だとは思います。
＜以下ネタバレあり＞
原作読んだこと無いですけどめちゃくちゃ面白かったです。
特に試合パートが良かった。
観る前までは試合の単調さを回想で誤魔化すものだと思っていたが、駆け引きや戦略、キャラクター同士の衝突、連携など多様な演出で盛り上がる展開がいくつもあり微塵も退屈しなかった。
個人的にはバスケの試合をここまでドラマ性の高いものしたバリエーションの豊富さに感銘を受けた。
宮城が物語の主軸だが、試合だけ見たら桜木が一番主人公に見えた。なんやかんや言っても原作で主人公張るだけの魅力と存在感があった。良い意味で少年マンガの主人公らしいエキセントリックな存在だ。
ネットでよく見る画像の元ネタが多数あってちょっと感動した。原作ファンだったら感涙レベルなんじゃないかと思う。読んでないのに「左手はそえるだけ」が勝手に脳内再生されました。
ただ、「安西先生バスケがしたいです」が無くて残念。
山王も敵役としての個性があって良かった。優れた技術力や戦略、チームワークが湘北より格上であることに説得力を持たせており、ただ倒されるだけの案山子になっていなかった。それは当然といえば当然ですけど、百戦錬磨のハリウッド産のアメコミ映画でも結構出来てない要素なので率直に偉いと思います。
試合は文句なしの満足度ですが間に挿入されるドラマは若干の脇の甘さがある。
まず、短い間に人死にすぎ問題。
事件性のある物語（スリラーやサスペンス）やアクション作品だったらいいけど、高校生のバスケが題材で開幕早々人家族に2人も死人出すのは流石に違和感ある。何ならリョータまで死にかけてて、題材がバスケなのに生き死にで物語のに起伏を与えようとし過ぎだ。
兄はキャラクターの動機や行動に関わるから仕方ないとしても、父親は邪魔だから排除されたような気がしてならない。なぜらなら残された家族は兄には思いを馳せるのに、父親のことは微塵も触れないからね。都合上仕方ないのは分かるが、都合よく父親を殺したように見え過ぎである。
三井が改心した理由もイマイチ分からない。
明らかに重要なドラマが抜け落ちてる感がする。本来ここに「安西先生バスケがしたいです」が入るのでは？というかなぜヤンキー化したのかも謎。個人的には三井が一番魅力感じただけに、尺が足りないにしてもう少し脚本を練ってほしかった。
ラストが刺さらなくて☆0.1下げました。個人的には高校生の青春ドラマの範疇で終わった方が綺麗だったのではと思った。まんま『ピンポン』のラストだし。
あと試合に文句は無いけど、あえて言うなら湘北側が試合を中断させるような行動し過ぎでは？バスケ詳しく無いけどあんだけ試合中断させてたら注意されそう。
試合中の桜木の怪我もヤンキー時代の回想で背中を木刀で思いっきり殴られても平気そうだったのを見ると作品のリアリメティの一貫性の無さによる違和感が…。そもそも挿入する回想の選択間違ってるのでは？思ってしまった。
クライマックスの無音もちょっと長すぎてたようにも思えた。もうちょっと短い方が効果的なんじゃないかな。
宮城が今作の主人公なだけに最後が桜木、流川コンビで締めるのは本当ならテーマに反するしね。知識で流川が桜木にパスを出したこと無いのを知ってたので演出の意味を理解しましたけど、全く知らない人からすれば「なぜ宮城で締めないのか？」と思うのでは。
この手の国産3D作品の弱点なんですけど、主要キャラ以外が2Dなのが勿体無い。予算や技術力上仕方ないけど、絶対没入感損ねてるから何とかならないですかね。
なんか文句多くなっちゃいましたけどホント大満足です。
試合が10/10でドラマが7/10って感じです。ドラマが足を引っ張ってるとまでは言わないですけが、試合の完成度の割にドラマは物足りないように思えてしまう。
バスケといえばアメリカですけど、ハリウッド映画でバスケを題材にした名作って無くないですか？アニメーションとはいえ日本でバスケが題材の名作が出せるの単純に凄いと思います。ハリウッド市場でも売れるポテンシャルあると思うんですけど、どうなんですかね？
原作だと多分この試合？に燃え尽きた湘北が次でボロ負けして連載終わった？感じたったと思いますけど、またそれとは違ったオリジナル脚本で続き欲しくなりましたね。ただドラマにはまだ肉付けできるでしょうけど、これ以上バスケの試合を盛り上げる引き出しは無い気もします。
何にせよ予想外に楽しめて大変満足です🏀
