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チェンジリングのエディのレビュー・感想・評価

チェンジリング(1979年製作の映画)
3.9
父に殺された子供が取り憑いた家を借りた作曲家の恐怖を描いたホラー映画。化け物が出てくるとか血が飛び散るといった露骨なホラーシーンはほとんどないのだが、雰囲気や音響で恐怖を煽ってくれる秀逸な出来栄え。

作曲家で大学講師をしているジョンは、交通事故で妻と娘を失ったショックもあり新天地に越してきた。周囲に気にせず日夜ピアノが弾ける環境を望んだため、辺鄙な場所にあるずっと誰も住んでいなかった屋敷を借りることになった。
しかし、直ぐにピアノの特定キーが鳴らなかたり勝手にピアノが音を立てる、毎朝大音響が響くといった異変が続くことになったので、不審に思ったジョンは貸主である歴史保存協会の担当者であるクレアに相談して、昔の住民が誰か突き止めたところ意外が事実が浮かび上がった。。。

この映画は得体が知れない霊の危険に怯えるだけのホラー映画ではなく、霊が出るようになった背景を探るサスペンス映画になっている。
娘を亡くしたばかりのジョンにとって、少年の霊は捨て置きならない存在だったのだろうし、だからこそ少年の霊も出てきたのだ。

貸主である歴史保存協会の出資者が誰かだとか、最初の数十分で登場する「一見すると関係がなさそうな人」を観ているだけで、ラストの展開はある程度予想できると思うが、それでもなおこの映画が怖いのは、姿を見せないけど効果音などで恐怖を駆り立てる演出が上手いからだ。

ホラー映画には姿を見せて襲ってくることで観客の恐怖心を煽る映画もあるが、この映画は「姿はほとんど見えないが、それが居るだろうと思える現象や音で恐怖を煽る」映画だ。

個人的には姿が見えないほうが怖い。昔の映画なので少しゆったりなシーンもあるけど、それでも怖い。

脚本、演出含めて良く出来た映画だと思う。
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