たりほssk

ヒミズのたりほsskのネタバレレビュー・内容・結末

ヒミズ(2011年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

住田と茶沢、彼らが生きる環境はあまりに辛く苦しいものでした。この二人の苦悩が強くはっきりと明確に伝わって来て、素晴らしい描き方だったと思います。暴力が多く、見ていて精神を消耗しましたが、無駄なシーンはなかったように思いました。
彼らはまだ中学生で自分たちで解決することができないから余計に辛い訳だけれど、ついに住田は絶対にやってはいけない最後の一線を越えてしまいました。そしてそこからも苦悩です。憧れだった「普通」にもなれず、おまけの人生を生きようとするのだけれど、それも辛い。希望を持たずに生きていくということがいかに難しいかということを学びました。
そしてこの物語はこの若者たちの苦悩と震災という要素の二重構造になっています。ホームレスの人たちをはじめとする大人たちは、震災によって深い傷を受けているのですが、彼ら(震災)と若者二人を結びつけるものが希薄に感じました。
ホームレスのおじさんが住田の父の借金を肩代わりすること等、震災からの再生と住田の再生を重ね合わせていることはわかるのですが、その点がややわかりにくかったです。
たりほssk

たりほssk