広島カップ

濡れ髪剣法の広島カップのレビュー・感想・評価

濡れ髪剣法(1958年製作の映画)
2.9
市川雷蔵がバカ殿を演るコメディ。
志村けんのバカ殿という意味ではなく、城内生活で世間知らずになった呑気な殿が「私は世の中に出て修行をしとうございます」となり市中に出て来たはいいが、庶民の常識とはかなりズレているバカさ加減。
雷蔵の眠狂四郎シリーズばかり観て来た観客がこの濡れ髪シリーズを観ると、それまでの雷蔵のイメージとはかなりな齟齬を感じるはず。シリアスな役の雷蔵を気に入っている観客にとっては新鮮に写るのではないでしょうか。
もっとも眠狂四郎より濡れ髪シリーズの方が製作時期としては先なんですけどね。

本作で特筆すべきは八千草薫。
気丈で明るく可愛い典型的なお姫様役を演った八千草には胸がドキドキしてしまいます。
彼女にはこんな役を是非演って欲しいと思っていた観客は大勢いたのではないでしょうか。その願いを見事に叶えてくれた一本です。
勿論志村けんのやつみたいに「あ〜れぇ〜ッ」なんてやりませんよ。

本作はバカ殿シリーズ...いや濡れ髪シリーズ全五作品の第一作目。
私の気持ちとしては「二作目以降は特に観なくてもいいかな?八千草薫も出てないし」という作品自体の出来ではありました。
コメディで能天気に笑っている時の雷蔵の顔がどことなく錦織圭の笑顔に似ていたのもマイナスポイントでした。?
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