ほーりー

トレマーズのほーりーのレビュー・感想・評価

トレマーズ(1990年製作の映画)
4.2
偶然にも前回レビューに引き続き、ケビン・ベーコン出演作品。

無意識のうちケビン・ベーコン・ゲームになってしまったが、これは大好きな作品である。

まさに「砂地のジョーズ」。かなり「ジョーズ」を意識した作品とみえて、原題の"Tremors"が「震え」なのも、アゴの複数系である"Jaws"を真似たような気がする。

辺鄙なネバダの田舎町。周りは砂地で囲まれてくすぶっていたケビン・ベーコンとフレッド・ウォードの二人は他の町に移住しようと車を出したが、途中、町外れの鉄塔の上に奇妙なものを見つける。

それがこの恐ろしい事件のはじまりだった。

おちゃらけたB級映画っぽいのだが恐怖描写が巧かった。

まず最初の犠牲者を怪物に捕食されるのではなく、ああいう形で見せたのが秀逸。

そして怪物をあまり直接見せずに、ドリルで地面から噴き出す血液や、次々と地中に吸い込まれる杭などで観客の恐怖をあおる。

車ごと引きずり込まれ、ヘッドライトが闇夜を照らすショットも印象的。

ダッシュするケビン・ベーコンたちの後を砂煙が追いかけるだけで、我々はまるでそこに本当に怪物がいるかのような錯覚を起こす。

怪物グラボイドとの対決も、単なるドンパチで退治するのではなく知恵くらべがあるのも面白い。

完全に孤立してしまい、住人たちは屋根の上に取り残される。この状況から如何に脱出して怪物をやっつけるのかが脚本がよく練られていた。

そして一番の傑出なのはマイケル・グロス扮するミリタリー男ガンマーである。

その後の全シリーズに登場する位の人気キャラクターだが、第一作からその個性が強烈すぎる。

町のワルガキが「俺にも銃を貸してくれ!」って言っても

「たとえ第三次世界大戦になっても、お前にだけは銃をやらん」

このセリフ大好きなのですわ。

あとよくできていると思う点は、ヒロインのフィン・カーターが触手が足に絡み付いて、ジーンズごと脱いでパンティ姿で脱出するシーンがありまして、「優れた娯楽作品にはちゃんとサービスシーンが用意されている」(町山智浩氏曰く)そうで、見事?にそのセオリーにそった作品でもありました。

ただちょっと怪物の造形や殺したときのグチャグチャ感が気持ち悪いけど。

■映画 DATA==========================
監督:ロン・アンダーウッド
脚本:ブレント・マドック/S・S・ウィルソン
製作:ブレント・マドック/S・S・ウィルソン
音楽:アーネスト・トロースト/ロバート・フォーク
撮影:アレクサンダー・グルツィンスキー
公開:1990年1月19日(米)/1990年6月15日(日)
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