ジーナ

ベルリン・アレクサンダー広場のジーナのレビュー・感想・評価

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898分もある、とんでもなく"超"尺な映画(とはいえテレビ映画の全14話の合計である)。
監督はライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。

ファスビンダー信者という事もあり、高評価な本作は非常に期待していました。
ここまで長い映画は初めてですし、オールで一気に全部観ようぜ!と友達と意気込んでチャレンジ!

・・・すみません、ギブアップ!!!
5話までは何とか観ましたが、6話は途中で視聴を止めました。

何がそんなに駄目だったかと言うと、決して難解だからではありません。
むしろ全然分かりやすいストーリーです。

しかし、あまりにも展開が急すぎる。
ある1つの事件に巻き込まれても、5分後にはあっさり解決していたり、次の回になったら、何処か分からない場所で暮らし、誰か知らん人と仲睦まじくなっていて、あっさりその回のラストには別れたり...
無駄とも言えるシーンは延々と流すのに、あらゆる事柄に至るまでの過程は次から次へと飛ばしてしまっているのだ。

更に主人公は出所したばかりの肥満の中年で、ずぼらな性格なのに、異常なほどに女にモテまくる。
下手したらトム・クルーズやディカプリオが5年の間に発表した映画で抱いた女性の数を本作だけで抜くんじゃねーの?ってペースだ。
てか、失業者が多くて国民が苦しんだ時代のベルリンが舞台と言っておきながら、主人公はこれは気に入らねえ、あれも気にいらねぇと転職しまくってて職には困ってないし、無職の時でも酒飲みまくってて金には困ってないし(金の出処も不明)、女を食いまくり。

感情移入の欠片もなく、この映画が評価される意味が分からない。
テンポもめちゃくちゃ悪いですし。
アメリカなどでは評価されているようですが、ドイツ国内では酷評の嵐の模様。

ただ、このような映画が普通にテレビで流されるというのも国・文化・風習の大きな違いを感じる。

ただ、ファスビンダー信者としてはいつかちゃんと全話完走したいと思う。
ってことで星は付けず。
ジーナ

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