ろ

決断の3時10分のろのレビュー・感想・評価

決断の3時10分(1957年製作の映画)
5.0

寂しく走る列車がある
3時10分のユマ行き
その車輪が奏でる音は
まるで死者を悼む溜め息

駅馬車が襲われ、御者が殺された。
一味のボスを捕らえるのに一役買った牧場主ダンは、そのまま町まで護送することになる。

「悪いことが起きても、みんな見てるだけ。」
「見てるしかできないことは多い。」

3年も雨が降っていない土地はとうに干上がっている。
牛は痩せ細り、一家は毎日食べていくのに精一杯。
それでも誰かに頼ることなく、ただ雨を待ち続ける夫に、妻は愚痴をこぼす。

3時10分に列車が来る。
牢獄のあるユマ行きの列車が。
新婚向けのホテルの一室では、男二人がダラダラと汗を流しながら向かい合っている。
「金がいるなら、俺がやるよ。」
「女房と子どものことを考えろ。」
「この先不自由しないぐらいの金をやる。」
亡くなった御者の葬儀が通りを歩いてくる。
黒いベールで顔を覆いうなだれる母親。
「ただ銃をベッドに置けばいい。そうすれば俺もお前も楽になれる。」
ダンは言葉巧みに追い詰められていく。
そうしているうちにも、ボスを救おうと一味が迫ってくる。
荒野に響く無数の馬の蹄。
「3時5分前にはお前だけになる。一体何のために死ぬんだ?」

貨物車両に乗り込む二人に待望の雨が降り注ぐラストシーンが清々しい!
劇中で何度もかかるかっこよすぎるテーマソングが耳に残ります。
ろ