緑雨

バットマン ビギンズの緑雨のレビュー・感想・評価

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)
3.0
普通のヒーローものって巨悪に対して圧倒的にリソースの足りない主人公が奮闘するところにドラマが生まれるわけだけど、その点バットマンのヒーローとしての在り方って特殊だ。モノ・カネのリソースは豊富だけどヒトだけ足りない、という状況設定。この映画の面白いところは、そのリソースの偏りに焦点が当てられている描写が目立つ部分。カネをふんだんに使ってモノは豊富に取りそろえるけど、バットマンスーツもマスクも小道具も自家製でシコシコ製作しちゃう、みたいな。

総じてリソースに恵まれている分、バットマンの戦いって「負けるわきゃないよな」的な、安心感がどこか漂っている。で、その分、悪役に魅力と威力が必要。本作でいうと、キリアン・マーフィー演じる悪徳弁護士は悪くなかったけど、リーアム・ニーソン一派が中途半端な風情でイマイチ魅力に欠ける。序盤の中国風修行シークエンスでのニーソンとベールの殺陣のもっさりしたことといったら。『ダークナイト』が盛り上がったのはやっぱりその点なんだよな。
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