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自由の幻想のRのレビュー・感想・評価

自由の幻想(1974年製作の映画)
4.7
ちょーひさしぶりに見てみた! 今回連続2回見たので、総計5回見たことになります。なんて面白い映画だろう! こんな映画が他にありますか! おふざけが過ぎる! ツッコミなしのボケのみコントを延々と見せられる感じ。主人公はいません。次々に中心人物が変わっていく。通り過ぎた人やたまたまそこに居合わせた人にカメラの関心が移り、数珠つなぎに意味不明なコントが続いてく。ほんま意味不明。たとえば、公園にいる2人の少女に、変態らしきおじさんが、これは大人には見せちゃいけないよ❤️ と数枚の写真を与える。で、おうちに帰って両親に写真を見せると、なんと汚らわしい! なんてこと! ん? ん? 何だ、何だ? ぱんぱんに怒張した肉棒でも写ってるいのか⁈ と見てみると、なんと、建築物の写真である。いずれの写真もすべて! なんでそんなエロチックなもの見てるような反応してるわけ⁈ どゆこと⁈ どこ汚らわしい⁈ どこ⁉︎ そしたら次は、宿屋で神父さんたちがタバコをふかしながら女とトランプゲームに夢中になってる。賭け金の代わりに賭け聖具。と、そこに妖しげな中年カップルが加わり、なにやらバスルームでSMの格好をし始める……は? 何だそれ! 唖然……と、そんな具合でわけのわからんエピソードがドライにテンポよくスイスイ展開。ぷふっと噴き出してしまうシーンもチラホラ、本作は関西人と観るときっと楽しいでしょう。見ながら横でツッコミ入れてくれると思う。で、途中くらいまでやってくると、だんだん、本作のテーマが何なのか、明らかになってくる。自由の幻想、というか、自由という幻想、という感じでしょうか。結局人間は完全なる自由を求めてるかのように見せかけて、真の意味での自由なんてのは存在しない、てかそれって、ただのカオスでしかない。カオスの中ではアナキーのみが支配する。ただ、行き届いた社会通念のふとした隙間?に垣間見えるヒューマニズム的フェティシズムのなかにこそ、人間の自由があるのではないか? そういう意味深な映画かな、と思って見てたら、そういうわけでもなさそうな、さらに謎なエピソードが出てきて、もう考えても無駄です! 何でもあり! ただただ楽しもう、ブニュエル流シュールレアリズムを! という気分になってくる。そして、めくるめく自由の幻想に身を任せる。なんたる気持ち良さ! 序盤はあまりの突飛さにおいていかれそうにも思えるのだが、華麗なるカッティングの妙によって、すべてに、或る宇宙的なロジックが息づいているような気がしてくるのであります。それこそただの幻想なのかもしれないが! さいごに、個人的にものすごく好きなシーンを挙げて終わりたい。①婆さんと甥の件。婆さんの顔面隠しフルヌード。インパクト大! 甥っ子イケメン! ②おトイレ会にては、お食事はレストルームで。③いやいや、娘さん目の前におるやん! ④タバコでも吸うかね? ピシャン!😂 ⑤ビルからパンパンパン! ←これはもはや現実のものになってしまった。で、判決後のあの感じ、アレも現実で起こってるよね。現実で起こってることが既に自由の幻想であることの皮肉、とても面白かった! 素晴らしい! また見ます!
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