海の上に限りない憧れを持っていた人魚姫マリーナ。
ある日彼女は偶然に、美しい人間の王子と出会う。
以来、彼の事をどうしても忘れられないマリーナは、故郷を捨て彼の元へ行こうと決意。
しかし、自慢の声と引き換えに人間となった彼女には哀しい運命が待ち受けていた・・・。
人魚姫の悲しい恋の話。
誰もが知っているアンデルセン(注:パン屋じゃないよ)の童話です。
シンデレラや白雪姫のようにハッピーエンドではないけれど、わりと好きなお話。
ただ、人魚姫の声が少しおばさんくさい…。
それはともかく、恋をするもどかしさや辛さ、儚い幸せ。
そう言ったものがとても上手に描かれていると思います。
内容がわかりやすいからこそ、人それぞれに深く考えられるのだと思う。
童話ってもしかして大人になったほうが楽しめるんじゃないかと思った。
だって、だってねー。
むかし本で読んだとき、そんなに切ない気持ちわからなかった。
でも今は恋している人魚姫の気持ちがわかる。
自分の大切な声を魔女に渡してまでも王子に会うために人間になった人魚。
王子に声が出ないが為に何も伝えられず海の泡となった人魚。
悲しい。
小さい頃は人魚姫の思いに鈍感な王子にイライラしたり、ラストの報われなさにやり切れない思いばかりでしたが、オトナになってから観るとまた違った感覚で観れるものですね。
あんなに一途に人を愛する事ができた人魚姫は幸せだったかも…なんてね。
人魚姫のかなわなかった想いが、おっきな愛の想う心が、悲しみが、今日も海を悲しく見せたり、最高にキラキラ美しく輝かせたりしているんだと思います。