真っ黒こげ太郎

ミッション:インポッシブル3の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.5
通常、当局は一切関知しないが…
今回は後のシリーズの”カギ”だ。
何としてもレビューしたい。

今回君に与えられた任務は「M:I-3」の再鑑賞とレビューだ。
DVDは用意しておいた、君が再生するを待っている。
なお、このメッセージは5秒後に消滅する、成功を祈る。




IMF(「Impossible Missions Force」不可能作戦部隊)のエージェント、イーサン・ハントは現役を引いて教官職に就き、身分を隠して一般人女性のジュリアと結婚し平和に過ごしていた。

だが教え子の女エージェント、リンジー・ファリスが武器商人のオーウェン・デイヴィアンの監視中にとっ捕まったと聞き、救出作戦に参加する。
リンジーを確保して大急ぎで脱出するが、リンジーの頭の中には小型爆弾が仕込まれており、爆弾が爆破されリンジーは命を落としてしまう。

僅かに残っていたデータとリンジーが密かに託していた暗号からデイヴィアンの証拠を掴んだイーサンは、デイヴィアンと取引相手をとっ捕まえる為に現場に復帰する。

見事なチームプレイでデイヴィアンを捕えるが、襲撃部隊によってデイヴィアンは逃亡し、ジュリアが人質に取られてしまった!!!




秘密諜報組織に所属するスパイが不可能な任務に挑む、スパイ・アクション。
トム・クルーズ氏の代表作の第三弾!!!
監督は「アルマゲドン」の脚本や「クローバーフィールド」「スタートレック」等で知られるJ・J・エイブラムス氏。
(因みに映画監督としてはこれが初長編みたい)


シリーズ三作目となる今作は一作目や二作目の反省を踏まえ、一作目のスパイ・スリラー要素と二作目のド派手なアクション要素をバランスよく踏まえた内容になりました。

一作目にあった「主人公チームの潜入捜査」や「誰が敵で誰が味方か」等の要素が復活し、二作目であった「ド派手なドンパチアクション」と「主人公とヒロインのロマンス」要素も上手くドッキング。
後の作品に繋がるチームでの共闘要素も増え、アクション描写のバランスやストーリートーンも今作で上手く統合され、後のヒットシリーズに繋がる雛形が今回で出来上がったような気がします。
(今後レギュラー入りするサイモン・ペッグ氏演じるベンジー・ダンも今回チョイ役で初登場。)


仲間が殺される序盤から、敵を追い捕まえるサスペンス展開や騙し騙されの展開、その中でヒロインが敵の手中に落ちるといった過去のドラマ要素が今作の物語の中で上手く組み合わさった。
前半の潜入捜査や、クライマックスの黒幕側のどんでん返し等、スパイ作戦やサスペンス要素がアクションと共に激しく展開。
王道な展開で物語の新鮮味は無いが、ストーリーに一作目の時のハラハラドキドキが戻って来ました。
(敵ボスも実に憎たらしくて良い感じ。)

アクションは地に足の着いたリアリティのあるものになりつつも、過去作のアレコレを程よく継承しながらド派手にドンパチ!!!
激しい銃撃戦に火薬の大爆発、カーチェイスに大クラッシュと盛り沢山で、サスペンスフルな物語を見事に盛り上げる。
毎度の如くトム・クルーズさんの体の張りっぷりも激しく、ビルから振り子で飛び移ったり、火薬の大爆発で吹っ飛んだり、滑るクルマの下を潜り抜けたり、長回しで超ロングダッシュを繰り出したりと、毎度の如く生身の大アクションが大炸裂!!!
トムさんもすっかりアクション俳優として大成しており、アクションシーンでの映えっぷりも完璧。
(流石にビルから飛び降りる場面はセットだが、それでもめっちゃ高いセットから飛び降りている。まぁ次回作で本物のビルにぶら下がるが…。)
因みにビルの坂を転げ落ちてギリギリで捕まる場面はモロにジャッキー・チェン氏主演の「WHO AM I?」のパロディだ。w


強いて難点を言うならストーリーは面白いけど、過去作から見てると既視感の多い展開なので内容に新鮮味を感じないのは難点と言えば難点かな。
後はまぁ、カメラワークの揺れがやや激しい所か。(これはこの監督の作品全般に言えるかw)


という事で、スパイ物としてのサスペンス要素とド派手ながらリアリティのあるアクションをバランス良く取り入れることに成功した本作。
実際評判も良かったらしく、後のシリーズは今作のバランス配分を雛形としながら更に洗練され、根強い人気作となってゆく。


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