真っ黒こげ太郎

ランボーの真っ黒こげ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

ランボー(1982年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「何も終わっちゃいねえっ!!! 何も!!! 言葉だけじゃ終わらねえんだよ!!!」

「戦場じゃ礼節ってもんがあった…!助け合い支え合っていた!ここじゃ何もねえっ!!!」

「みんないい奴だった…あっちじゃ友達はごまんといた…それなのにどうだ? ここには何もねえ…」




とある田舎町にやってきた、元グリーンベレーのベトナム帰還兵、ジョン・ランボー。
彼は戦争時の戦友を訪ねてきたが、その友人はベトナムで使われた化学薬品が原因で癌に蝕まれ、死亡していた。

友人の死にショックを受けたランボーは、町で食事をした後どこかへ旅立とうと考えていたが、通りすがりの乱暴なティーズル保安官に不審者扱いされて逮捕されてしまう!!!

警察署で人権無視!!!と言わんばかりの乱暴な扱いを受けるランボー。だがその所為でベトナムでの悪夢が蘇ってしまう!!
そのまま大暴れし、保安官達をなぎ倒し警察署から脱走、そのまま山へと逃げ込むランボー。
ティーズル率いる保安官達は銃で武装して後を追うが、ランボーの戦闘スキルを前に歯が立たず負傷させられてしまう。
気が付けば州警察と州兵が動員され、非常事態宣言まで発令される大事件に発展してしまうのだった…。



孤独なベトナム帰還兵と彼を不当に扱う保安官達との戦いを描いた、アクション・ドラマ。

シルベスター・スタローンさんの「ロッキー」シリーズと並ぶもう一つの代表作、「ランボー」シリーズの記念すべき第一作目。
シリーズ最新作、「ランボー・ラストブラッド」に備えて再鑑賞しました。(ついでにこの機会にソフトを買いました。)
今後もシリーズを再鑑賞して行きたいと思いまする。


さて、世間的には「ランボー」シリーズと言えば「マッチョなアクションヒーローがマシンガンをブッ放して大暴れするコマンド・アクション映画の代名詞」と一般的には思われてる…ってか今作に触れる前の自分もそう思ってたんですが、この一作目では”地獄の戦場で変わってしまった孤独な帰還兵”と”彼を拒絶するような警察達”の戦いを通して、「国のために地獄の戦場で戦ってきた兵士の苦しみや悲しみ」を描いた、社会派の面を持つアクション・ドラマ映画なのです。
「地獄を味わった帰還兵に向けられる、冷淡な世間」をランボーの視点で徹底的に描かれる。
寒々しい感じの映像作りもシリアスで物悲しい雰囲気に合っているし、孤独を抱えた男を体言しているスタローンさんの演技も素晴らしい。
ラスト、トラウトマン大佐に心情のすべてを爆発させるシーンは見るたびに悲しみがこみ上げてきます…。
もう、見てて辛い。


ランボーも戦場以外では(殺さなければ殺される悪人以外は)人を殺さないので、罠にかけて負傷させる様なアクションがメインになっている。
(事故死で数人ほど死んでそうだし、最終的には乱暴な保安官を殺そうとするが。)
アクション演出もリアルな雰囲気があって、シリアスな雰囲気を引き立てている。
(でも、スタローンさんの動きは超人的でアクションのクオリティはかなり高し。)


リアルながら見ごたえあるアクションや帰還兵の悲しみを描いたドラマが見事なレベルで纏まっている、「名作」と呼ぶに相応しい作品でしょう。
自分も大好きな作品なのですが、見るたびに重い気分になるので、明るい作品で心を癒したくなります…。
(幸い、続編は世間で一般のイメージである「コマンドアクション映画」になってゆくので、”楽しい映画”として見れると思います。w)

さて、次回からは大迫力でテンションの上がる内容になってゆくので、気合を入れていきますね。
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