ぶちょおファンク

横道世之介のぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

横道世之介(2013年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

序盤★3 中盤★1.5 終盤★2

メインとなる昭和時代最後らへんの街並やファッションや小道具が細部にまで凝って再現されており、
そこを流さずにじっくり見せたいと思う作り手のキモチも分かりますが、
物作りってまずは骨組みを、そこに肉付けをして、
最後に余分な肉を削ぐ作業をして完成する訳ですが、
この作品贅肉でブヨブヨ。。。

台詞回しは面白く、そのユルい雰囲気も良いけど、やっぱ上映2時間40分は冗長なシーンが多く、
時間を使った分丁寧な表現方法なら有りですが、
個人的には作り手の怠慢か自己満にしか思えなかった。

例えば冒頭の新宿駅のシーン、
街並み(斉藤由貴さんの広告看板とか)からして時代背景は古そうだなとは察しましたが、
そこから昭和Z級アイドル、今風に言えば地下アイドルの姿を長々と映し、昭和を知っている者からすれば『昭和らしい光景』とピンと来て笑えようやく「この物語は昭和設定」なんだというのは理解できましたが、
昭和を知らないヒトがこれらの映像のみの表現で違和感は覚えても、
キチンと時代設定が古いと理解できるのだろうか?

もっと分かりやすく“1987年 東京/新宿”っとかのテロップを入れれば、
クソ長く無駄なZ級アイドルの姿を映す必要もないし、オープニングにこのセンスやと160分という時間が思いやられるな…っと感じるのも無理ないでしょ。。。

結局終始明確に時代を示すシーンはなく、
チラッと1987年や1988年と書いているアイテムで年代が分かりましたが、
ここまでハッキリと年代を映さない意図が分からない。

しかも時代が2003年前後にいつの間にか飛んでいて、最初は倉持(池松壮亮)が娘の彼氏の勤めるガソリンスタンドに行くシーンやと思いますが、
何の説明もなく会話や雰囲気でようやく1987年ではないのに気づき何度もあるそのパターンにもなんとか慣れましたが、
なんとも不親切というか、
“現在”っと場面チェンジでテロップを入れれば済むだけなのにそういうのは一切しない、しなくてもすぐ観客が気づく分かりやすい編集とか演出とかと思っているのだろうか?

その2003年前後、物語の中盤である登場人物からさりげなく“世之介の今”を知らされるコトになり、
結局このエピソードの詳細は描かれることもなくただ起こった事実のみ最後に語られ、
それが“世之介らしい”のかも知れませんが、
爽やかなラストではありますが、
なんとも全体的にしっくりこない作りの映画でした。。。

2017年201本目