藻類デスモデスムス属

スティングの藻類デスモデスムス属のレビュー・感想・評価

スティング(1973年製作の映画)
4.0
一世一代の「紙」芝居。

第一幕「お預けいれ」。路上詐欺で稼いだら、ぜひ当行にお預け入れを。賭博口座の落とし穴。シカゴのギャングはお金を預け、命を頂く。見習い詐欺師は勝負お預け、命からがら逃げのびる。いつか一「紙」報いるために、賭博師の神に身を寄せる。第二幕「残高照会」。いかに大きく見せかけれるか。チープな誘いにゃのりませぬ。まずはポーカーで小手調べ。手持ちのカードをうまく配ってガードを固め、お金の動く気配を仕込む。第三幕「お引き出し」。そろそろ利子が大きくなれば、双方出し抜き、引き出したい。賭博の醍醐味、目的上乗せで、リターンも大きい。お金は餌で、引き出したいのはギャングの頭領その人自身。みんなで仲良く詐欺の舞台に、あとはどちらが上手をとるか、役者が違うと知るのが痛快。まるまる銀行つくってしまえば、誰でもわかる紙芝居。金が物言う世界でも、その運び手はやはり人。だから詐欺師は人たらし。でもだらしない金の遣いはごめんだぜ。紙束動かせ、動かされるな。ポール・ニューマンは、詐欺銀行の支配人。本番は軽妙に。用意は周到に。シカゴの沙汰も金次第。