このレビューはネタバレを含みます
不慮の事故で亡くなった新人モデルが地上に舞い戻る話。
チープさや不完全さ、いびつさも丸ごと愛してしまいたくなるような作品。
牧瀬里穂が死を目前にして初めて生を実感し、キラキラと輝き出す。未完成でいびつだけど唯一無二の存在感がある。
あとやっぱり「帰れない二人」が良い。
結婚式の二次会が開かれているライブハウス。新郎新婦、参列者を前にして歌われる「帰れない二人」。
ひとしきり盛り上がったあと、新郎新婦と参列者たちは舟へ乗りいなくなってしまう。
ユウにも約束されていたはずの将来との、人生との決別が悲しくも美しい。
世界に取り残された二人に与えられたわずかな時間が
ずっと続けば良いのにと願わずにいられなかった。
”もう星は帰ろうとしている 帰れない二人を残して”。