ベビーパウダー山崎

ロリ・マドンナ戦争のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

ロリ・マドンナ戦争(1973年製作の映画)
3.5
どん詰まりの外れ(場)でしか生きられない二つの貧しい家族が憎しみ殺し合う。まともだった、愛で家族がまとまっていた日々が確かにあって、だからこそ崩れてダメになっていく成れの果てが一層やりきれない。馬が躓いて馬に乗っていた妻が死んで、その馬が殺されたその日にすべてが悪い方向へと転げ落ちていく。幸せな時期は短く、人生は退屈でげんなりしている時間のほうが長い。全く別の問題ではあるけど、連合赤軍の内ゲバ的な痛々しさがあった。どうでもいいやと放り投げた先にある切なさ、リチャード・C・サラフィアンは好きな作家。