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フルメタル・ジャケットのanzuのレビュー・感想・評価

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)
4.0
前半は純粋無垢な幼き男性が狂気に陥り、後半はジョーカーが「BORN TO KILL(=幼児性)」と「ピースサイン(=大人)」の境界線を彷徨う。

観た後、衝撃を受けるも難解で、色々な解説を読み漁りました。そこでしっくりきた解説を元に記録します。

キューブリックの映画は8作ほど観てきましたが、"幼児性"つまりは子供の単純化、純粋さに暴力性や死を表しているという考えに過去作を踏まえても頷いてしまった。
戦場においては、人に言われたことを疑わず、真面目に取り組む人程、壊れやすく、兵器として恐ろしい人物になるのもそういったことか…など頭を巡らせました。

今思えば、様々な角度から幼児性を表現していて…例えば、前半の青年が指を加えさせられたり、ドーナツをもぐもぐ食べさせられたりするシーンは、まさに幼き子供を象徴しているようだった。
意味を知ると、こんなにゾクゾクするミッキーマウスマーチ聴くことはないだろうと笑

"2001年宇宙の旅"もなかなか難しかったが、人類自身が大人となる過程を描いているというと納得してしまい、少しキューブリック作品が繋がったような感覚で嬉しくなった。

まだまだ理解不足ですが、もっと噛み砕いてキューブリック作品楽しんでいきたい。
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