オルキリア元ちきーた

バニー・レークは行方不明のオルキリア元ちきーたのレビュー・感想・評価

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)
3.5
古い映画ですがオープニングなどはオシャレな感じ。白黒なので良く見えない所も結構あってちょっと慣れないとイラッとするかも。
昔のサスペンス映画特有の「犯人の描写の浅さ」が、現代の映画に慣れていると違和感を感じてしまうかも。
時系列も行ったり来たりしないし、あくまで現状をなぞるだけの展開の中に説明や演技力で過去を推察させる構成で、どの登場人物にも感情移入出来ない流れからは、犯人が分かった時の盛り上がりも現代ほどドラマチックでもなく、気付けば終わっていた、という感じ。
それでも「保育園に預けた筈の我が子が誰の記憶にも存在せず、むしろ母親の頭を疑われる」というシチュエーションはかなり怖い。
そしてその怖さと焦燥感が、淡々と進むストーリーの中でスルーされてしまっている感覚は、むしろ現実感が醸造されてしまって、かえって背筋が冷たくなる。