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バニー・レークは行方不明のYAEPINのネタバレレビュー・内容・結末

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

緊張と疑惑の100分だった。非常に濃密な時間を過ごすことができた。
TSUTAYAで100円(4本400円)払っただけでこんなすごい映画が楽しめてしまうなんて。

アン・レークは娘のバニーを初めての保育園に預けるも、担任に会えないまま保育園を後にする。迎えの時間に保育園へ行くと、教師も子どもたちも誰もバニーを見ていないという。
初めは誘拐犯探しという視点で物語が進むが、次第に警察をはじめとする周囲の人間から、バニーの存在自体が疑われだす。実際に、バニーは画面に1度も登場していない。

結果的に真相は一番最初に予想したものではあったけれど、それが分かるまでに二転三転と翻弄された。
加えて、徐々に明らかになる兄妹の関係性や、人形の修理屋、病院の実験動物の保管部屋などがとにかく映画に不気味な雰囲気を与えている。

そして、全ての真相がわかった後のラスト15分が本当に気持ち悪い。でも目が離せない。
話としては最初に予想できたとおりなのだが、兄と妹のやり取りが想像のつかないトリックを明かしてくれる。
インターネットの発達していない時代、妹がアメリカからイギリスへ渡るのに兄を頼るしか方法がなかった、という設定がこのトリックを全て成り立たせていることに気づいた時、しびれた。
ラスト15分に登場人物のバックグラウンドが全て凝縮されており、非常に不気味だが興味深かった。

また、ソウル・バスによるタイトルバックがアーティスティックで、シンプルながら印象的だった。(最初画面サイズが違うのかと思った)
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