山本Q

ヴィデオドロームの山本Qのネタバレレビュー・内容・結末

ヴィデオドローム(1982年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

・新作もくるので予習がてら鑑賞。
・過去に見えているはずだけど、ほとんど覚えてなかった。

何とも言えない質感。他では味わえない触感。

スナッフビデオは本当にあるのか?みたいな当時としては、アンダーグラウンドな雰囲気の漫画とか小説とかでよくある題材だよね。とそれほど気に留めてなく、興味はどうやってとってるかわからないブラウン管歪むVFXなんかに、気持ちがいってたんじゃないだろうか。今見ると、テレビ放送が人間の意識そのものを組み替えてしまうメディアの力の怖さみたいなことに、この時期から凄く直接的に取り組んでいて興味深い。世界観は、思っていたよりも「裸のランチ」。ビデオドロームをドラックに置き換えて撮り直したのが「裸のランチ」では?というくらい手触りが似ているように見えた。クリーチャーデザイン的要素は、イグジステンズでも似た感じだし多分クローネンバーグのフェティズムとして一貫したものなんだろうな。
映画としてはクローネンバーグ味が濃い目なので、好きな人以外はピンとこないだろうと思う。好きな人はアンダーグラウンドな悪夢が堪能できるので堪らないと思う。
ジェームズ・ウッズの嘘くさい怪しい感じはよかった。怪しい女性役のデボラ・ハリーさんは見たことなかったけど、綺麗で怪しい存在感が素晴らしい。
山本Q

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