田原総一郎原作、黒木和雄監督の今で言う原発ムラサスペンス。
'78年にこんなタブーに切り込んだ作品に挑戦してたのは驚き。
原田芳雄のワイルドさ、山口小夜子の妖艶さ、風吹ジュンの可愛さが際立ってた。
松村禎三の不穏な現代音楽が昭和のATGの雰囲気ムンムン。
劇中突然原発にアポ無し撮影のシーンが挿入されていて、映画としてはおかしなことに。
とにかくこの時代から隠蔽気質があったことにゾッとする。
それが今日にも繋がってると思えば尚のこと。
この映画が『原子力戦争』っていうまるでSFみたいな仰々しい現実味のないタイトルなのはどうかと思ったけど、田原総一郎さんの原作ではそれぐらいもっと生々しいドキュメントってことなんかな？
不穏な雰囲気を醸し出してるだけで、どうしても作品としては物足りなさが残る。
後味も悪い。
