クチコミ評価が高かったので観てみた。
藤井道人企画・プロデュースというのも気になった。
ヒロイン莉奈役の穂志もえかって名前聞き覚えあるなと思ったら『少女邂逅』『放課後ソーダ日和』の人だった。
主役の修一演じる黒羽麻璃央ってよく知らなかったけど桜井ユキの旦那さんなんやね。
「ダメ人間」とはそもそも誰が決めることなのか？
タイトルからして今の生き辛い世の中でのあれこれというのは想像できた。
この手の話は描き方によってはめっちゃ重く感じてしまうので観ていてしんどくなるリスクもある。
冒頭から莉奈のポンコツぶりにイライラしてしまった時点で自分も人としてまだまだなのかもしれないと思ってしまった（笑）
修一はまるで子猫でも拾ったかのように莉奈と同棲を始めていたが、ああ、自分はこんなだらしない女性と一緒に住むぐらいなら一人の方がよっぽど良いとしか思えず。
巷のいわゆるダメ男に惹かれる女性を見ていると、この人には私がいないとダメっていう思い込みがあって、何でもかんでもやってあげるから余計にダメになるというシチュが多い。
そうすることによって自分が必要とされているという感覚が満たされ、自分にとって優位な関係を形成できるのが良いのかもしれない。
最初その逆バージョンを見てるような感覚だった。
何でこの二人は一緒にいるのだろう？
ただ生きてるだけじゃダメなのか？
生きてるだけで、それでいいじゃないなんて言葉は所詮綺麗事にしか聞こえない。
そんなことは世間が許してくれない。
だから生き辛くもなるし、「ダメ人間」という言葉の呪いにもかかってしまう。
一人で生きたくてもそんなの無理だからしんどくもなる。
生き辛さや心の病みの大きな要因として「理不尽」と「不寛容」というものがあると思っている。
今の世間にはあまりにも「理不尽」が溢れかえりすぎている。
そして多様性だとか声高に言う割には排他的で不寛容な場面のなんと多いことか。
ずっとモヤモヤしながら観てたんだけど、観終わってもスッキリせず、何だか惨めでイヤ～な気分になってしまった。
かと言って嫌いなわけではなく、最後まで興味深く観れたし、良い作品だとも思う。
