クレイジーキャッツの中では一番顔が丸い谷啓。本作の彼は更にむくみでもあるかのようで玉羊羹のように丸い。
その丸い顔にストレートで水分量の多い黒い髪の毛が七三に乗っかっているのがとても可愛らしい。手足が短くてちんちくりんなのもコメディアンとして得をしている。
植木等にもハナ肇にも真似できない個性。
その風貌にプラスして彼の声の独特な可愛らしさ。
あの声でガチョ〜ンと言われたら一瞬戸惑いますが笑ってしまう。
基本的に生真面目な人間が一生懸命喜劇を演っているという雰囲気が滲み出る俳優。
牛乳会社の総務部に勤める一介のサラリーマン鈴木太郎(谷啓)がある日突然理由もなく世間から認知されなくなってしまう。この世から突然人がいなくなってしまうというストーリーで前半はかなりワクワクする話でしたが、後半少しずつ主人公の立場が出世魚のように変わっていく辺りからつまらなくなって来ます。
ミステリー調の前半のままでずっと行ってくれたらよかったのにと思います。
