きなこみるく

ビューティフル・マインドのきなこみるくのネタバレレビュー・内容・結末

ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

孤高の天才数学者。暗号解読のプロ。賢く美しい恋人。

この辺りまでは、「イミテーション・ゲーム」とそっくりだな、思いながら見ていた。
しかし、中盤で展開は大きく変わる。そこから、物語にどんどんのめりこんでいった。

ナッシュ博士の見た、3人の幻覚の人物。
天才ゆえの孤独に苛まれ続けた博士が求めたものを、具現化した姿だったのだろう。

チャールズ⇒自分の才能の理解者であるよき友人。
パーチャー⇒自分の功績を世に知らしめてくれる存在。
女の子  ⇒自分を無邪気に慕ってくれる存在。 

博士は晩年までこの幻覚を見続けることになる。
しかし、彼はすでにしっかりと3人と折り合いをつけていた。
愛する家族、才能を認め合った仲間たち、慕ってくれる学生たち。
自分の孤独に向かい合いながらも、彼らの存在に「頭」ではなく「心」で気づいたからこそ、彼は病気を克服できたのかなと思った。
天才に限らず、人はだれしもが孤独な存在なのかもしれない。
しかし、心を閉ざし、その孤独のみを見つめてはいけないのだ。

ナッシュを支えた妻の献身ぶりには言葉も出ない。
私だったら離婚してる、と思ったら、史実では実際に一度離婚したらしい。
しかし、数年後病気の彼の身を引き取り、その後再婚。
それを知ったうえで、最後の妻へのスピーチを聞くと、より感慨深いものがある。