このレビューはネタバレを含みます
真実は重く、冷たい。
凍てつく大地の寒さが伝わってくるような映画だった。
無学&前情報なしで見たため、最初は保留地とは?なぜこんなに無法地帯なんだ?と思いながら見ていた。
作品が進むにつれて、土地の歴史と事件の背景が少しずつ分かってきた。閉鎖的な空間には人間の闇がはびこりやすい。
しかし、ハンターが、ドラッグの世界に落ちた被害者の兄に放った言葉にはっとさせられた。
「この土地から抜け出したければ、大学でも軍隊でも行けたはずだ。お前の虚しい人生は環境のせいじゃない。」
そうだ。
考える頭と動く手足があれば、選択肢はいくらでもあるのだ。
環境は大事だ。しかし、その人自身の人生を決めるのはやっぱり本人なのだ。
娘を失くしたハンターの悲しみへの向き合い方も心に刺さった。
「悲しみを拒否すれば、心の中の娘まで失ってしまう。」
女性が白人だったら被害を受けなかったのだろうか。
「お高くとまりやがって!」
なくならない差別意識。
最後のモノローグがさらに心を沈ませた。