数ある社長シリーズで最高傑作はどれか?
ある人は社長シリーズの基本スタイルを確立した「社長道中記」を挙げるだろう。
ある人は森繁・小林・加東・のり平・フランキーが本格的に勢揃いした「社長漫遊記」を挙げるだろう。
でもやっぱり本作「社長太平記」にとどめをさすのではなかろうか。
他のシリーズとは異なり、本作では主要メンバの過去が描かれる。
時は太平洋戦争真っ只中、森繁一兵卒〈 小林兵曹〈 加東艦長、の立場だったのが、戦後になると、森繁社長 〉小林専務 〉加東課長と、まるっきり力関係が逆転してしまう。
そのバックボーンがあるからこそ、ギャグもいつものおふざけ藝の範疇にとどまらない面白さが本作にはある。