グラビティボルト

傷だらけの挽歌のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

傷だらけの挽歌(1971年製作の映画)
4.2
今更観た傑作パターン。
ネックレスを強盗したくて富豪の娘を誘拐する映画なんだけど、異様な犯罪一家に誘拐された若い女性の痙攣的なリアクション、彼に惚れた次男坊の精神不安定な蠕きが「悪魔のいけにえ」にも拮抗している。
あと、警官隊相手にライフルを撃ちまくる婆さんといい、金欲に塗れ、肌をテカテカさせたド外道達を真っ直ぐ撮る姿勢には目を見張る。
終盤のチェイスシーンは、ウェス・アンダーソン「フレンチディスパッチ」のアニメパートを実写でやったような迫力。

ラスト、ただ事件が終わったから映画も終わり、別に人物の心を救済したりしない荒々しさも忘れ難い。