カイル

U・ボートのカイルのレビュー・感想・評価

U・ボート(1981年製作の映画)
4.5
フォロワーさんの特別企画「娯楽映画で振り返る第二次世界大戦」のレビューを見て非常に興味が湧き観てみた。
今まで戦争映画はあまり観てこなかったがこれをきっかけにもっと観てみようという気持ちになった。
そのくらい秀逸な作品だった!!
U-ボートというタイトル通り、ほぼ潜水艦の中だった。
狭い艦内、その衛生環境の悪さが伝わってくる。
映画では終始ソナーによる聴音の様子が描かれていた。
ピコーンピコーンという音やきしむ音が非常に緊迫感溢れていた。
海の底では音だけが頼りである。
だからこそ音にこれ程の恐怖感があるのだ。当然敵も音だけが頼りであるわけだからそれを察知されないように息を潜めるクルー達の様子により緊張が走った。
昔やったエネミー・ゼロというゲームを思い出した。視認不能な敵を音だけで距離や方角を把握して倒していくゲーム。
ゲームと比較しては不謹慎かもしれないが、これが実際であったらと想像してしまった・・・
連合国の船団の乗組員達が助けを求めて泳いでくるがそれを助けることなく後退するシーンは考えさせられた。戦果をあげた喜びや誇らしさと同時後ろめたさや複雑な心境がよく描かれていた。
この映画の監督ウォルフガング・ペーターセンが、ネバー・エンディング・ストーリーの監督だったのは意外だった。
そしてこの映画のテーマ曲は素晴らしかった。シーンによって臨場感、物悲しさがよく伝わってきた。
そしてラスト、過酷な現実を思い知らされた。
フィルマークスでは意外とレビュー数が少なく意外だった。もっと多くの人に観てもらいたいと思った。
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