Jean

数に溺れてのJeanのレビュー・感想・評価

数に溺れて(1988年製作の映画)
3.6
ホドロフスキーが好きならオススメと紹介されたので鑑賞。

数を数えることに夢中になる少女と少年の意味するものは何なんだろう。「100までいけばあとはみんな同じ」というセリフに込められたメッセージの意味が映画の中に散りばめられていて、少し難解ではあったが視覚的に楽しめた。

まず印象的だったのはヴェム・ヴェンダース監督の「リスボン物語」と同等又はそれ以上に音に対する意識が凄かった。音が生み出す圧倒的臨場感。これほどまで感じられる映画はなかなか出会えない。多くの絵画を引用している美しい映像も芸術的に評価されているだけあり良かった。

恋人を愛せない女とそんな女に恋をする検死官の愛と憎悪が混じり合う恋愛映画。とにかく不思議な映画だったが数を数えながら向かっていくラストは思った以上にテーマを捉えていて好みだった。

もう少しニュアンスが理解できたらなお楽しめた。
Jean

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