ふき

コブラのふきのレビュー・感想・評価

コブラ(1986年製作の映画)
3.5
コブラじゃねーか!(挨拶)

スプラッター映画と青春映画とクライム映画を足して、『ランボー/怒りの脱出』で割ったようなお話。それらが「コブラ」という一匹狼警察官を通して一本の映画に再構築されて……いない。バラバラ。
シルヴェスター・スタローン氏が書いた脚本も、コブラとイングリットのラブシーンの会話がいまいちだったり、コブラとゴンザレスの健康食の会話が「コブラお前ピザしか食ってねーだろ」としか思えなかったり、敵を殺す時の捨て台詞にピンとこなかったり、斧を持った狂信者の組織だと思ったら気付いたらバイカー集団になってたり、ナイト・スラッシャーが思い出したように「新世界が~」と言い出したり、フワッフワ。「パラマウントさん、これを『ビバリーヒルズ・コップ』にしなくてよかったね」と本気で思う。

でもなぜか嫌いになれないんだよなあ、この辺りのスタローン氏のアクション映画。上記に書いたようなパッチワークっぷりや脚本の突っ込みどころが、一周して全部魅力に感じる。とってつけたようなタンクローリー大炎上やクルマの爆発も、田舎町を舞台に突然『ランボー』のセルフパロディっぽい絵面になるのも、全部オッケー! 面白いです!

てか、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』を見て「暴力ってやっぱりよくないよね」とか訳知り顔で考えた後に、本作を見て「やっぱスタローンのアクションはいいなあ」とニコニコするのって、いいよね。
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