てつこてつ

廃市のてつこてつのレビュー・感想・評価

廃市(1984年製作の映画)
3.0
WOWOWが大林宣彦特集をやっていたので・・。

大林監督作品にしては奇をてらったところがない、ただただ叙情的な作品。水の都、福岡県柳川市のロケ風景が効いていて、夏祭りの野外歌舞伎、浄瑠璃、木船で行き来する光景が美しい。

昭和34年に発表された原作小説を基にしているだけあって、タイプライターもなく万年筆での論文執筆、古畳が敷かれただだっ広い日本家屋と昭和の日本の原風景がどこか郷愁を誘う。

ショートヘアでもなく清楚なキャラクターの小林聡美は、この作品で初めて見たが意外とハマってる。姉役の若き日の根岸季衣、入江若葉、そして、峰岸徹もみんな艶っぽい。

ただなあ、主役の新人、山下規介・・。確かに、昔はドラマなんかで見た覚えがあるんだけど、七三分けの髪形にちょっと大きな顔が途中から杉村太蔵にしか見えなくなってしまって、やや作品に集中できなくなってしまった。

ストーリーとしても終盤の展開、若干、無理あるなあ。

ナレーションを大林監督自らが務めていたとは驚き。
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