「緻密な首都攻略シミュレーション」
冒頭からPKOで発砲出来ず生存者を1人残して殲滅させられる陸自レイバー部隊を描き、一気にストーリー展開に引き込まれる。映画版の前作から3年後の世界で、特車二課の面々は離れ離れになっており、どちらかいうと後藤さんが活躍！？そんな中、横浜ベイブリッジに放たれた一発のミサイルから事態は急転、警察と自衛隊が首都東京を巡って対峙する事態へ発展。ストーリー展開が早く緊張感が途切れない。情報操作次第でいとも簡単に戦争状態が作り出せる可能性を淡々と描いていて、それが却って現実性を感じさせて背筋が寒くなる。原作・TVシリーズを知らずとも楽しめるが、押井作品の中でもとりわけミリタリー色が強いので多少の前情報は無いと知らない人には辛いかも。最近の実写映画では個性が強過ぎて主役を食ってしまっている印象を受ける竹中直人さんが荒川役を抑えた演技で魅せる。
