ちぇり

リトル・ダンサーのちぇりのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

私の好きなバレエ映画。バレエや踊りを題材とする映画は、ストーリーはもちろんだけど劇中のダンスシーンに目を奪われる。バレエに目覚めたビリーがぎこちない動きで女の子たちのバレエの練習に混ざるシーンも、そこから日常にバレエが入り込んでいき、いつしか怒りや喜びなどの感情表現を踊りでしていくシーンがとても良かった。怒ったような速い手足のタッピングや、踊る喜びを全身で表現したようなターンなど、技術ではなく心で踊るシーンが刺さる。
最初は「男がバレエなんて!」と大反対していた父もいつしかビリーの夢を叶えてやりたいと思うように。炭鉱夫としての信念やストを諦めてまでもビリーの夢を叶えてやろうとするシーンが泣けた。俺たちは先が見えてるし大した未来は無いけど、ビリーには未来があるし才能がある。あいつの才能を伸ばしてやりたいんだ。家父長的な頑固オヤジだった父も、クリスマスの夜にビリーの踊りをみて心を動かされたのだろう。口では否定しても、子供の望むことを望むようにさせてやりたいのが親なのだろう。オーディションの為にロンドンまで行くための旅費のために父親が質屋に行くシーンで大号泣。
映画としては、イギリスの片田舎で11歳の少年ビリーが当時は珍しかった男性のバレエダンサーとしての夢を膨らませそれを叶えていく過程に焦点が当てられる。最後のシーンで父と兄がビリーの主演舞台を見に行くシーン、彼の幼少期の友人マイケルが女性的な格好で見に来てるのも、それぞれの人生を歩んでいる感じがして良かったなぁ。
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