こたつむり

トップガンのこたつむりのレビュー・感想・評価

トップガン(1986年製作の映画)
2.8
★ 80年代の空気を感じる一作。

今更ながらに初鑑賞でした。
戦闘機。無線の声。聞き覚えのある曲。
なるほど。未鑑賞なのに“既視感”満載。若かりし頃のトム・クルーズに対しても、何故だか「うんうん」と頷いてしまう始末。原点ですなあ。

しかも、トニー・スコット監督ですからね。
娯楽のツボを心得た序盤からの展開に頬は弛むばかり。いいよ、いいよ。これが80年代ど真ん中。王道ですよ。ヒロインとの場面で流れる曲は『Take My Breath Away』で決まりだね。

…なんて思ったのも束の間。
本当に常時流れていると…ごめんなさい。正直なところ「クドい」と感じてしまいました。やはり、大切なのはメリハリ。感情を溜め込んで重要な場面で流すからこそ、心に沁みるのです。

また、同様に戦闘機同士の空中戦も。
冒頭は格好良いと思ったのですけどね。
ぶっちゃけた話、中盤以降は飽きていました。

確かに空中戦の演出は難しいと思います。
目印がない空でのファイトはスピードも感じづらいし、俯瞰で撮影するのも困難。どうしても似たような映像になるのは否めません。

だけど、本当に物足りないのは脚本。
似たような映像に王道の展開を載せたら単調になるのも当然の話。主人公が父親に抱く思いとか、ヒロインとの恋愛とか、ライバルとの距離感とか…面白くなる要素はたくさんあるのですけどね。どれもこれも表層だけなのです。

でも、プロデューサーの名前を伺ったら。
うん。大味も仕方なし、と思いました。何しろ、ジェリー・ブラッカイマー御大ですからね。人間ドラマを期待してはいけません。

それでも、親友(相棒)との阿吽の呼吸に頬が緩んだのは…トニー・スコット監督のお陰でしょう。やっぱり男臭い場面こそが監督さんの真骨頂。二人でヒロインを口説く場面はニヤニヤが止まりませんし、言葉にしなくても通じ合っている感覚はシビれましたよ。

まあ、そんなわけで。
厳しく言えば竜頭蛇尾の印象が拭えない作品。
80年代っぽい軽薄さ…と言ったら失礼ですが、時代に合わせるように鑑賞するのが楽しむコツなのでしょう。あと、トム・クルーズのピチピチ感を堪能する映画かな。