MEG

青い春のMEGのレビュー・感想・評価

青い春(2001年製作の映画)
3.3
なぜかわからないけど、なんかこのタイミングでどうしても「青い春」見なきゃいけない気分になって観たら色んな意味で喰らっちゃって感情ぐっちゃぐちゃになった

19日にチバの献花に行って、やっぱりまだまだお別れとか無理だなぁって思って、でも曲もまだあんまり聴けなくて、そしたらもうOPから挿入歌から最後までミッシェルがガンガンに流れるもんだからさあ………

映画自体は2000年代の邦画の空気感が凝縮されている様な感じ。こういうの好きだよ。あらすじを読んでもまったく話が想像できなくて、「なぜ…?」ってなりながら観たんだけど、なるほどたしかにこれはあらすじが書けないなと思った笑

物語がある、というよりは、学校を軸にそれぞれの人生の分岐点がつかずはなれずの距離感で淡々と紡がれていく話なので、これは好き嫌い分かれそう。刺さる人にはとことん刺さるんだろうなって思った。

今見るとめちゃくちゃ豪華な俳優陣で、どこか浮世離れした、繊細でただものじゃないオーラを放つ九條役の松田龍平はもちろん、すべてをかっさらっていった新井浩文の鋭い眼光もそうなんだけど、個人的には突然すぎる行動と去り方をした高岡蒼甫の雪男が一番好きだったりする。大人になったら何になりたい、って正直思春期をとうにすぎた自分ですらなにも掴めてないから、思春期の全てが脳内で過剰に鳴り響く時期にそんな質問を投げかけられたら頭がパンクするのも無理ない、ような気はする。


ぶっちゃけ面白いか?と言われればビミョーだし、人に勧めるかと言えばNOな気がする、けど、観終わって数日経ってもずっと「彼ら」のことを考えてしまう程度には印象に残る映画だった。トイレのシーンはいわずもがな、あの影の落書きとか、ラストのタイムラプスとか、頭に残ってるシーンが多すぎる。

松本大洋先生の原作を買って読んでるんだけど、メインの原作だと思われる「幸せなら手をたたこう」めちゃくちゃ短いし、九條とかも印象が違うからびっくりした。よくここから膨らませたなー。同短編集に収録されてるピースという話も関連があるそうなので、それを読むのが楽しみ。
MEG

MEG