ひろぽん

スパイダーマン3のひろぽんのレビュー・感想・評価

スパイダーマン3(2007年製作の映画)
4.6
サム・ライミ版『スパイダーマン』3作目

スパイダーマンとしての活動も学業も愛するMJとの関係も全てが上手くいき順風満帆な生活を送っていたピーター。しかし、ブラック・スパイダーマンとなったピーターは、新たなパワーに酔いしれ、怒りを制御することができなくなってしまった。慕っていた叔父を殺した犯人への復讐。スパイダーマンを父の仇と信じ込む親友ハリーとの決闘。将来を誓い合った恋人メリー・ジェーンとの心のすれ違い。そこに現れるグウェンとの微妙な恋愛関係。悲しき運命の連鎖が、彼を究極の戦いへと導く。果たして彼の運命はどうなるのかという物語。


スパイダーマンのおかげで犯罪は減り、市民にとってすっかりなくてはならない特別な存在となったスパイダーマン。

スパイダーマンの活躍が報道され、市民たちから歓声を浴びる度に自分に自信が湧いてくるピーター。

効率よくスパイダーマンの任務をこなす為に部屋に警察の無線を傍受出来る機械を設置し、学業にも専念できるようになり成績もトップになっていた。MJとの仲も順調で、プロポーズを考えるまでに順風満帆の生活を送っていた。

そんなある日、隕石によって地球にやってきた地球外生命体「シンビオート」。スパイダーマンのスーツに寄生し、黒色のスーツに身を包み新たなパワーを手に入れたブラック・スパイダーマン。以前よりも身体に力がみなぎり、気分が最高に良くなるも次第にシンビオートである寄生生物ヴェノムに心を支配されていく。

ダメだと分かっていながらも力を求め黒いスーツに手を出していくピーター。

闇堕ちしてブラック・スパイダーマンになってからのピーターは髪を下ろし、攻撃的な性格になり自信満々に振る舞うオラオラ系男子へと大変身。これまでとは違ったダークな雰囲気が魅力的で、女性にもモテ始めていく…

同じ大学に通うグウェン、ピーターの住むアパートの大家の娘のアースラ、新聞社のジムをしているミス・ブラントetc.....

その中でも、ミス・ブラントが超絶可愛かった。

James Brownの『People Get Up And Drive Your Funky Soul』の音楽と共にノリノリで街中を歩いてカジュアルな服装に衣装チェンジするシーンがカッコよかった!

今作のヴィランは、親友ハリーが父親の復讐のために力を手に入れたニュー・ゴブリン、素粒子物理実験場の実験に巻き込まれて体が砂状になってしまったサンドマン、デイリー・ビューグル新聞社の社員になろうとしていたピーターのライバルであるエディが寄生生物によって取り憑かれたヴェノム。3体ものヴィランが登場するという豪華な演出。

3体も居るということで内容を詰め込みすぎて1人1人のエピソードが薄くなってしまった感は否めない。

ヴェノムに取り憑かれ行き過ぎた行動でMJを傷つけていくピーターの姿は見ていられなかった。特に、舞台女優から転落したMJの職場にグウェンを連れていきあからさまに悪意のある嫌がらせをするのは辛い。

ベンおじさんの死の真相、大親友との決闘、MJとのすれ違い、ラストの決戦etc.....
溢れんばかりの見どころ満載なド派手な展開がたまらなく良かった。

“復讐”と“赦し”をテーマにした本作は3部作の中でもとても切なく悲しい展開が多い。

親友のハリーに憎まれていると分かって居てもMJを助けるために直接助けを求めるシーンの友情と潔さが良かった。

スパイダーマン&ニュー・ゴブリン VS サンドマン&ヴェノムの戦いも見どころの1つ。ハリーと共闘するシーンは胸熱だし、コンビネーション技が炸裂するところは最高に興奮した。

ラストの展開はやはり切ない…

内容詰め込みすぎてテーマの一貫性が無くなり賛否両論ある作品だけど、個人的には結構好きだった。集大成ということで色んな要素が盛りだくさん。

過ぎ去ってしまった過去は変えられないから、そこからどんな道を選択していくかがとても大切だな。この3部作のスパイダーマンの宿命は本当に切ない。
ひろぽん

ひろぽん