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鶴は翔んでゆく/戦争と貞操のpikaのレビュー・感想・評価

5.0
60年前の映画とはとても信じられない鮮烈な映画体験ができる傑作!
ロシア(ソ連)映画欠乏症に罹っていたらオススメされ、たっぷり抱いた期待を大いに飛び越える素晴らしさに震えた。

人で画面が埋まるほどの群衆や縦横無尽に動き回るカメラワークなど、さすがの映画大国ソ連の潤沢な予算を使ってのダイナミックな画面構成から、音楽で煽り幻想を体感させ感情を画面に込める表現主義的な映像まで、隅から隅までとにかく画面がずーーっと面白い。最高!
シンプルながらも開戦から終戦までの1組の男女の愛を軸に反戦を謳いきってしまう怒涛の演出の凄さは圧巻!
わずか90分で冒頭とはまるで変わってしまうキャラクターの姿に戦争というものが生み出したものの大きさを実感する。泣けた!

ヒロインがちょう可愛い。彼女の美しさがクローズアップの劇的さをさらに引き立て、映画で見る「ヒロイン」という存在の醍醐味をこの上なく堪能できた。
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