グラビティボルト

身代金のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

身代金(1996年製作の映画)
3.8
何故今のロン・ハワードにはこれが出来ないんだろうか?と考えてしまう位には楽しんだ。
クレジットの出方からしてお洒落だし息子が誘拐される場面はスムーズで、犯人一味が過ごす家では手間の掛かった移動撮影でテンションが持続させられる。
極めつけに過激な銃撃があればもう充分というか。
終盤仲間割れを起こしていよいよ修羅場に突入した犯人達が銃撃戦を始めるんだが、ゆっくり走る車内で撃たれた男が開いたドアから血の垂れる腕を路面に投げ出すカットが素晴らしい。
垂れた血が車の走行に従って線を作る。
この過度な暴力をハワードの映画で観れるとは。
後この映画は事件や登場人物に「裏の思惑」がない所が面白い。
みんな心情が台詞やアクション、表情に出る。だから心理サスペンスじゃなくて活劇になるんだと思う。
だからこそカメラが派手に動くのではないか?とか思った。