えいがうるふ

プレステージのえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

プレステージ(2006年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

巷ではノーラン監督といえば近年の超難解ストーリーをスペクタクル映像で圧倒するような作品が人気だけれど、個人的には今まで観た彼の監督作の中で今のところ最高傑作だと思っているのがこちら。評価低いけど私は断然推します!

なにが良いって、ノーランなのに「なんかよう分からんがとにかくスゴイ!」ではなく、最初から「めっちゃ分かりやすくスゴイ!」ところが素晴らしい。展開に付いていくのにやたらと頭を使わされ、観ているだけでヘトヘトになった挙げ句その労苦を無駄にしたくない思いから(?)なんかものすごいものを観たように自分を納得させるような、あの「ノーラン作品あるある」がなかったのだ。(とはいえもちろん冒頭から伏線貼りまくりで全く油断はできないのだが…)

むしろ、なぜこんなに評価が低いのだろうと考えてしまった。
マジシャンの世界を描いているので、最初からどうせトリック有りきだろうという先入観もあるだろうし、そんなのありえないリアリティ無さすぎ!という感想はもっともなのだが、じゃあさらにありえないSFそのものと思える世界観を最新技術と凝りに凝った映像でリアルに見せている近年作のリアリティの根拠を数学や物理に疎い自分が本当に理解しているかといえば全然分かってないに等しいわけで、この作品だけが「リアリティがないからつまらない」と唾棄されるのはフェアじゃないと思うのだが・・。

ちなみにストーリーも近年のノーラン作品より泥臭い人間味があって個人的には断然好みだった。人生を賭けた仕事へのプライド、復讐、愛憎劇をからめた男同士の闘いのドラマは、いきなり緊張感マックスになる冒頭から終盤の怒涛の伏線回収まで何も見逃せない面白さで、130分がすごく短く感じた。

トドメにボウイ様が個人的に神キャスティングなので思い入れ加点もどどーん。結果、文句なく満点!!