Ren

きつねと猟犬のRenのレビュー・感想・評価

きつねと猟犬(1981年製作の映画)
4.0
あまりに地味な名作アニメ映画。ディズニーアニメ作品のトップ10には入れたい。

幼少期に親友となったきつねのトッドと猟犬のコッパーは、大人になるにつれ自分達が獲るものと獲られるものという関係であることを自覚し始める。このあらすじだけでなんとも苦しいものがある。でも可愛らしいキャラ造形や本筋を邪魔しない程度に差し込まれるギャグが幸いして、いい意味で肩の力を入れず鑑賞できる爽やかさを持ち合わせていた。

作中通して上下関係を示すモチーフが数多く登場するのもポイントとなっている。度々差し込まれる『トムとジェリー』的なコメディパートもある意味で力関係を示唆しているし、主人公2人は彼等の飼い主=人間の言動には抗えない。色々な形の弱者対強者の構図を見せられた果てのあのラストだからこそ、2人の特別な関係性を鮮烈に見せる構図が非常に良かった。

ハッピーエンドともバッドエンドとも言えない余韻を残すところが大きな魅力になっている。非現実的なファンタジー設定やご都合主義展開がどうも苦手だと言う方にも観てほしい。
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