砂場

ブレックファスト・クラブの砂場のレビュー・感想・評価

ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)
4.4
80年代野郎だった僕はその頃の映画というとジョン・ヒューズだよなあ!
本作に登場するのは体育会系、ガリ勉、サイキックな子、お嬢、ワル。それぞれ親との関係に悩んでいる様子がうかがえる。時には涙を流して激昂する場面もあるので相当深い問題があるんだろう、、けど詳しくは語られない。
ジョン・ヒューズの演出は失礼ながら大変雑なのでww場面場面で何が起きているのかわからないことがあるし、登場人物の感情の変化も不自然でアップダウンが激しすぎる。ただ幸か不幸かその雑さがまさしく若者の心情の意味不明にコロコロ変わる様を忠実に描けてしまっている。

お嬢&ワルというカップリングはまあ物語上よくあるやつなのでそれほどそそられないのだが、、、、
体育会系&サイキックな子というカップリングを描いたのが本作を映画史に残る傑作たらしめていると思う。これはレアかもしれないが現実にありうる。
オタク体質とかカルチャー体質の女の子が同類の男は趣味は合うのだがなんとなく気持ち悪く思え、ぱっと見爽やかな体育会系と付き合うということ、これはありえそうである。

ただ最初は良くてもだんだん趣味の合わなさ、、、聴く音楽、観る映画などが乖離している現実に気づき結局別れる可能性は高い。
恋愛や結婚において、趣味性の高い人間は誰を選べばいいのだろうか、、、、僕もどっちかと言えば趣味系の人間なのでそのジレンマはよくわかるのだ。

サイキックな子は英語セリフではバスケットケースと呼ばれていたが、英語での元の意味は手術などで手足を切断して何もできない人を指すが、、、
本作は『桐島』にはるか先駆けるオタク論序説と言えるのではないだろうか。
砂場

砂場