青あお

時計じかけのオレンジの青あおのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.7
初めて鑑賞した時は色々な意味で度肝を抜かれましたね。
その後、3、4回程鑑賞していますが、
久し振りに再鑑賞したので感じた事をそのまま書きたいと思います。

よくこの映画は全体主義の管理社会をおちょくってると言われますが、確かにその通りで、アレックスをルドヴィゴ療法で洗脳するくだりなどはまさにそれです。

しかし、それ以上にキューブリックの演出からは性衝動、暴力衝動への羨望の様なものを感じるんです。それは、性衝動、暴力衝動につきまとう潜在的な快楽への共感ではないでしょうか。勿論、だからといって暴力自体を容認するものではないでしょう。
あくまで、映画的演出での風刺、皮肉なのですが相手をレイプする時の「雨に唄えば」や「第九」が流れる浮かれた感じの演出はまさにそれで、善悪は別にして男ならわかるだろと投げかけられている気がします。

法律や倫理を超越したところに動物としての本能がある、そして、その根源的な本能は悪い事なのか?
悪でないとするならば強制的に矯正することこそが悪ではないのか?本当の暴力とは何なのか?←これらは、キューブリック(原作者?)からの管理社会に対する皮肉ですね。

これらの皮肉や風刺を解らずにそのまま受け入れてしまったのが、映画「タクシードライバー」のネタ元の人ですね。
暴力の肯定と捉える人もいる、そういった意味では非常に危険な映画ともいえるかも知れませんね

勿論、これは僕が感じた事なので異論、反論あると思います。
お前何もわかってねぇなぁみたいなご意見ありましたら優しくコメント下さい笑
青あお

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