こたつむり

クライモリ/間違ったターンのこたつむりのレビュー・感想・評価

3.8
♪ ギチギチギチャー ギチギチギチャー
  ギチギチギチギチギチギチギチャーッ

フルマラソンだけが陸上競技ではないように、映画も色々な種類があっても良いと思います。恋愛、戦争、SF、ミステリ…そして、ひたすらに“ヤるかヤられるか”だけの作品。

本作はまさしく短距離の中の短距離走。
徹底的に贅肉を削ぎ落とした物語でした。
だから、得体の知れない恐怖を煽ることはありませんし(なんと冒頭に怪物の正体を提示している)人間の醜い部分の描写もありません。

というか、基本的にいいヤツばかりなんですよ。勿論、ホラー映画のお約束である“下半身で物事を考える”カップルもいますけれど、それは若者ならば多かれ少なかれ持っている属性。それを責めるのは酷な話です。

だから、森に漂う空気も爽やかに感じる始末。
いやぁ。森に行きたくなるなあ。
空気が綺麗だろうなあ。

…なんてところからの全力疾走。
うわぁ。ガンガンとアドレナリンが出ますね。うひょひょひょ。

しかも、女性陣の美しさが尊いのです。
スラリとした肢体に柔らかさを感じるバスト。そんな“お宝”が薄着で右往左往するわけですから…ね。ググっと前のめりになるのは…ね。健康な男子ならば分かるでしょ。ね。ね。

だから、ひたすらに脳汁を垂れ流せば良いのです。深みとかコクとかを気にせずに“ヤるかヤられるか”を楽しめば良いのです。確かに時折、首を傾げる演出もありますが、それはご愛嬌。重大な瑕疵ではありません。

まあ、そんなわけで。
狩りの時間が始まりました。
肺が持つまで全力疾走しますので、足がつらないように準備運動をしておいたほうが良いと思います。

ちなみに本作は『13日の金曜日』や『悪魔のいけにえ』などの有名ホラー作品を彷彿させる展開がありますが、それも全力疾走のための要素ですからね。既視感に囚われると道を誤る可能性がありますよ。アメリカは広大ですしね…。

※注意 冒頭で引用した歌詞は公式のものではありません。耳コピです。
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