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愛人 ラマン/恋人・ラマンの10000lyfhのレビュー・感想・評価

3.0
高齢フランス女性が回顧する、10代の頃にヴェトナムで体験した、年上の中華系男性との性愛。原作者デュラスの私的な回想録であり、事実上、デュラスの監督作品とすら思う(予想だが、実際に彼女が監督してしまうと極端にアーティスティックな個性が出てしまうので、技術的に確かな監督を雇い、演出面で指示していたのでは)。結果的には、少女の体験に通過儀礼として一定の普遍性があるので、原作も映画もヒットしたのだろう。本作を特徴づける点の一つは、人種差別感情丸出しからの、金を見て考えを変える母や、その直後に主人公男性が、怒りを少女に向け発散するようなセックスなど、金銭や差別といった社会的ファクタとセックスの関係の考察で、当時の現実を直視。しかし、本作の最大の魅力は、男女それぞれの性衝動をエロティック過ぎずに丁寧に描いた、クォリティの高いセックスシーンだろう。演技がリアルだし、その部屋の光線、ストリートのノイズ、ヴェトナム?のゴングの不協和音を主体とした音楽、と演出も完璧
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