GaPTooth

雨のGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

(1932年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

デビッドソンが怖えぇーわ(((((((・・;)
なーにが宗教改革者だ。影響力の大きな組織の教祖か宣教師か知らんが、酷いなあいつ。あんなもん神のご意志とは調和してないし「聖書」の言葉を自分勝手に解釈して他人に当てはめてるから最悪だよね。

最初から、セイディ・トンプソンのことを見た目で判断してさ。「イウィレイの女(不道徳でふしだらな娼婦)」と決めつけて「お前は不敬を蔓延させる邪悪な存在だからアピアには行かせない」とか言っちゃって。

救うだの何だの言いながら、セイディの部屋へズカズカ入り込んで訳のわからない話を上から目線で怒鳴り付けるなんて聖職者が聞いて呆れる。

聖職者は、女性と二人きりで部屋にいたらダメなんだよ。上から目線もダメ。怒鳴り付けるなんて言語道断。

サンフランシスコに戻されることを恐れるセイディに「サンフランシスコに帰れ」と強制送還を突きつけてさ。
聖職者なら、心の救済に努めろや!痛め付けてどーすんの!?

罵詈雑言を吐いていたセイディが、デビッドソンの唱え続ける「主の祈り」(『聖書』の「主の祈り」はマタイによる福音書6章9節~13節に記述されているイエスによる"み父への模範的な祈り"の型)に和したシーンは怖かった。もう普通じゃなくなってたよね。ああなったらデビッドソンの思いのままのお人形だな。

ゴールデンゲート号がパゴパゴに入港し、明日はサンフランシスコへ向けて出港だという夜に「最後の試み」を仕掛けるデビッドソン。
見事にデビッドソンの思う通りの返答をして期待に添うセイディ。

まあ魅力的に見えたんだろうね。「王の娘の1人」なんて表現したぐらいだから。
神に祝福された喜びに満ちた女性との性交への誘惑に抗うことができなかったデビッドソンの負け。結果は自業自得。

セイディもデビッドソンから受けたマインドコントロールからも呪縛からも解放されて良かったね。
オハラ軍曹とオーストラリアでお幸せに💕

劇中、パゴパゴ雑貨店&ホテルのオーナーのジョー・ホールが、「ツァラトゥストラはかく語りき」を引用したあとでニーチェを称賛したシーンが興味深かった。
ニーチェと言えば「輪廻」「神は死んだ」だもんね👍

「雨」についても。
『聖書』で「雨」は神からの愛の具現の1つとして用いられていて、マタイによる福音書6章43節~45節には「敵を愛し続け、邪悪な者のために祈り続けなさい」という言葉の例証として"雨"が挙げられている。

キリスト教の愚かしさがジャンジャン溢れ出してる作品だった(笑)

原作:サマセット・モーム
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