なかなかこの映画も手に入れるのが難しいけど、巨匠ジョージ・スティーヴンスの代表作のひとつ。
スティーヴンス監督と言花うと「陽の当たる場所」や「ジャイアンツ」のイメージが強いので、タイトルからして重厚なドラマかなと思いきや、筋の運びがあまりにも小気味良くて驚いた。
笑い75%・涙25%の適度な配分もまた良い。
バーバラ・ベル・ゲデス扮する長女が回想するところから物語ははじまる。パパ、兄、妹たちの想い出も尽きないけど、一番の想い出はママのこと。
1910年代のサンフランシスコ。アイリーン・ダン扮するママはノルウェーからの移民で、貧しいながらも大工のパパを支えながら、家庭を何とか切り盛りしていた。
生活は決して楽ではなかったが、ママを中心に家族が仲睦まじく暮らしていく様がテンポ良く描かれる。
さて本作には主人公であるママよりも印象が強烈なキャラが登場する。ママの伯父さん(つまり大伯父)のクリス伯父さんである。演じるのはオスカー・ホモルカ。
足が不自由なんだけど声が馬鹿でかくて子どもたちもびくびくするような雷おやじで、伯父さんから可愛がられさが描かれるのだがネタバレになるのでここでは割愛。
あと動物好きの末妹も地味に面白い。オスなのに何故かエリザベスという名前の猫をはじめ、やたら色々な動物を飼いはじめるのが可笑しい。
ちなみにこのエリザベス君は劇中とんでもない展開になるので要注目です(^ー^)
坂の町サンフランシスコが舞台だけあって、登場人物たちがえっちらおっちら坂を上ったり下ったりと、これが物語にいいアあるさかはクセントになっているように感じた。
需要がないからTSUTAYAで置いてないんだろうけど、こういう作品こそネット配信にラインナップして欲しいと思う。
■映画 DATA==========================
監督:ジョージ・スティーヴンス
脚本:ドゥウィット・ボディーン
製作:ハリエット・パーソンス
音楽:ロイ・ウェッブ
撮影:ニコラス・ミュスラカ
公開:1948年3月9日(米)/1949年4月26日(日)