ヴァルダのドキュメンタリー。まおも。いろんな人がいるなぁというテケトーな感想と相成りました。
印象に残る点を箇条書きにします。
・廃棄されたジャガイモを拾っているホームレスの中に、顔がタルコフスキーに似た人がいた。
・ロマの人たちが、市長が変わり条例も変わって定住できなくなったことを嘆くシーンは、酷いなと思い、政治にムカついた。
・ロシア人のガラクタ芸術家の作品はガラクタにしか思えなかったけど、グッとくる人はいそう。
・ゴミあさりオンリーで食生活をしてるサラリーマンは、なんか現在の文明を見下していて不愉快だった。
・ヴァルダがイチジクを食べるシーンはなんか良かった。ハート型のジャガイモで喜ぶヴァルダの姿に乙女を感じた。カワイイ💕
・老と向かい合い、両価的な気持ちを吐露するヴァルダはやはり人間として信用できる。そしてカッコいい。
・ラストに登場した、ボランティアで移民に言葉を教えている人はなかなか素敵だった。この人を追っかけたドキュメンタリーがあるなら観たい。しかし、拾ったモノを洗わないで食べるのはいかがなものかと思う。
・一番印象に残ったのは、落穂拾いが法的に認められており、その根拠は16世紀の法律だったこと!フランス革命の前だけど、ちゃんと現在にも通じる法律があって、スゲーと思った。
我が国は法律が軽視される傾向が、特に現政権下では強まっているが、これは伝統の問題ではないかと感じた。日本にそんな法律の伝統はないからね。
今回、個人的には大きな発見がありました。ひとりに焦点を当てず、いろんな人が出てくるドキュメンタリーは好きじゃない。
なんかドキュメンタリーって『だってしょうがないじゃない』みたいにドカッと来る好みの作品もあるけど、好きじゃないヤツが多いな〜と思っていたのですが、今回理由がやっとわかりました。
これで今後ドキュメンタリーを鑑賞する際、何を選ぶかの根拠ができました。良き体験でした。
ヴァルダ作品は、ドキュメンタリーよりも劇映画の方がおそらく好みです。